弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。
本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。
最高裁平成27年4月9日の判決についての解説の続きです。
生存権を保障するようになって過去の経済発展を支えた契約自由の原則、過失責任主義が修正されてます。
その過失責任主義の修正要素の1つとして未成年者の監督義務者の責任というのがあったわけです。
どういう原理で修正するか。
まず1つは大きな利益を得ている者、企業は損害も負担すべきである。
要するに労働者を働かせておいて、
企業は大きな責任を持っているわけです。
そうすると労働者の過失責任を企業が負わないということになると
トカゲのしっぽ切りにが起こってしまうわけです。
それではだめでしょう。利益があるところに損害も負担するべきだという、
こういう理屈で報酬責任があるわけです。
それから、他人に損害を与える可能性がある危険なものを管理している者は損害を負担するべきではないか。
要するに危険性があるものを管理監督している人は、それが現実化した場合には負担するべきだ。
ということで報償責任の規制として使用者責任。
要するに労働者が使用者の事業に従事している間に過失で他人に損害を与えたときは
会社が倍賞責任を負う。これが使用者責任。
それから工作物責任。
土地の工作物の占有者は、工作物の瑕疵によって他人が損害を被ったときは倍賞責任を負うという、
こういう2つの例が出てきているわけですね。
続きは次回ご説明いたします。