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主婦の損害について

以下の設例で解説します。

設例「40歳、主婦です。先日、追突事件に遭い、6ヶ月通院(実通院日数40日)し、後遺障害等級14級9号が認定されました。どの程度の賠償となりますか。」

1.休業損害について

主婦は賃金を得ていないとして、過去には否定される例もありました。

しかし、最高裁昭和49年7月19日判決・民集28巻5号872頁は、「結婚して家事に専念する妻は、その従事する家事労働によって、現実に金銭収入を得ることはないが、家事労働に属する多くの労働は、労働社会において金銭的に、評価されうるものであり、これを他人に依頼すれば、当然相当の対価を支払わなければならないのであるから、妻は、自ら家事労働に従事することにより、財産上の利益を挙げているのである」とし、

さらに、「具体的事案において、金銭的に評価することが、困難な場合が少なくないことは、予想されうるところであるが、かかる場合には、現在の社会情勢等にかんがみ、家事労働に専念する妻は、平均的労働不能年齢に達するまで、女子雇用労働者の平均的賃金に、相当する財産上の収益を挙げるものと推定するのが適当である」としました。

よって、現在では、主婦の場合、現実の賃金が全年齢女子平均賃金センサスをこえれば現実収入で、越えなければ全年齢女子平均賃金センサス(3,559,000円(平成23年))で計算されることになります。

もっとも、自賠責保険では、一日5700円×通院実日数で計算しますが、通院実日数の全日が認められることは難しいようです。

この点、弁護士は、以下のような計算で相手方損害保険会社と交渉します。

3,559,000円÷364日≒9,751円/日

40日×9,751円+(90日-40日)×9,751円×0.3(労働が制限された割合の目安=具体例によって様々)
=536,305円

以上の計算で示談ができない場合、訴訟となりますが、0.3は症状によって様々です。

2.逸失利益について

逸失利益についても、基本的に、年収を全年齢女子平均賃金センサス(3,559,000円(平成23年))で計算します。

そして、14級9号ですと、労働能力喪失率5%、喪失期間5年とされることが多いので、以下のとおりで相手方損害保険会社と交渉します。

3,559,000円×0.05×4.3285(将来分を現在もらうことで金利を控除した5年のライプニッツ係数)=770,256円

自賠責では月収275,100円について67歳まで労働能力を5%喪失したとして計算しますが、上限が慰謝料と合わせて75万円のため(14級9号の場合)、逸失利益だけで計算されることはあまりありません。

3.慰謝料について

慰謝料について通院慰謝料は、自賠責の場合、

4,200円×(実通院日数の倍か通院期間の少ない方)

で計算されますので、設問では

4,200円×40日×2=336,000円

となります。

ただ、弁護士は、裁判所がこれまで認定していた慰謝料を参考して、独自の基準(「民事交通事故訴訟」「損賠賠償額算定基準」(通称「赤本」))の基準で傷害慰謝料を計算しています。

各所のホームページでその表を掲載していますが、私が委員を務めている日本弁護士連合会交通事故相談センター東京支部は赤本にある当該表の掲載を許可したことはありません。
同支部では研究目的での掲載しか基本的には許可しておりません。

よって、各ホームページで同表を掲載している方は、著作権侵害をしていることになります。ご注意ください。

そこで、弁護士基準を知りたい方は、赤本を購入されるか、弁護士にお尋ねください。

4.高齢の主婦の場合

このような方の場合、基礎収入が全年齢女子平均賃金センサス(3,559,000円(平成23年))より低く認定されるときがあります。
詳しくは弁護士にお尋ねください。

 

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