弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。
本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。
契約で決めても,守られないことがあるの?(20)
前回の続き、区はどうすればよかったのか。
区は契約の方法を間違った
建築協力金方式を採用すべきあったということです。
建物を借主名義にする
=土地に借地権が設定
=土地価格の60~70%の借地権設定料が必要。貸主にも借主も望まない
建物を貸主名義にする
=借主は建物を借りる
⇒建物の建築資金を誰が用意するか
○ 貸主
○ 借主
建物の建築資金
A 貸主が用意
賃貸借契約時に保証金をあずかる
賃貸借終了時に全額返還
賃料を高く設定して建築資金を回収
貸主には途中解約されたときリスクがある(保証金から建築費を回収もあり)
B 借主が用意
賃貸借契約後,期間満了までに保証金を返還する
賃料から保証金分が都度控除される
途中解約で保証金を没収
貸主にとって収益性は低いがリスクは少ない
本件【予想】
「A 貸主が用意」と思われる
賃貸借契約時に保証金50億円をあずかる
賃貸借終了時に全額返還
賃料を本来,
高く設定しなければいけなかったにもかかわらず,低く設定して,建築資金を回収できなかった可能性