コラム
親の責任6
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 最高裁平成27年4月9日の判決についての解説の続きです。 民法714条は責任無能力者がその責任を負わない場合において その者と監督する義務を負う者は その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、監督義務者がその義務を怠らなかった場合、 または、その義...
親の責任5
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 最高裁平成27年4月9日の判決についての解説の続きです。 民法714条というのが問題になっていました。 714条とはそもそもどういうものかを見ていきます。 712条の未成年者が他人に損害を加えた場合において 自己の行為の責任を弁識するに足りる知能...
親の責任4
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 最高裁平成27年4月9日の判決です。 原審は、本件ゴールに向けてサッカーボールを蹴らないように指導する監督義務があったということを認めたわけです。 小学生の子供が校庭でサッカーゴールに向かってサッカーボールを蹴って責任を負わされた。 これはやっぱりおかしいのではないかという...
親の責任3
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 最高裁判所が4月9日に出した判決について 責任を弁識する能力のない未成年者(いわゆる小学生)が 他人に損害を加えた場合において 監督義務者として責任を否定した判決について見てみます。 原審は 本件ゴールに向けてサッカーボールを蹴ることは その後方にある本件道路に向けて蹴るこ...
親の責任2
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 本日も、小学生の子供が他人に損害を与えた場合の親の責任について否定した判例を見てみます。 11歳のCがゴールに向かってボールを蹴りました。 そのボールは本件校庭から南門の門扉の上を越えて 橋の上を転がって本件道路上に出た。 折から自動二輪車を運転して本件道路を進行してきたB...
親の責任1
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 最高裁が平成27年4月9日に 責任を弁識する能力のない未成年者、 要するに自分の責任を弁識する能力のない小学生ぐらいの子が 他人に損害を加えた場合において監督義務者として親の責任を否定したという判断をしたのです。 この判例を検討していきたいと思います。 事案 ...
契約って何?(20)
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 契約で決めても,守られないことがあるの?(20) 前回の続き、区はどうすればよかったのか。 区は契約の方法を間違った 建築協力金方式を採用すべきあったということです。 建物を借主名義にする =土地に借地権が設定 =土地価格の60~70%の借地権設...
契約って何?(18)
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 契約で決めても,守られないことがあるの?(18) 前回、客観的利益衡量の観点からは反社会性はないので、 権利濫用の主張はおそらく認められないだろうとのことでした。 さらに信義則の主張を見ていきます。 日大が20年で契約終了,50億円の保証金返還を主張するのは,...
契約って何?(17)
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 契約で決めても,守られないことがあるの?(17) 区の主張 日大が20年で契約終了,50億円の保証金返還を主張するのは, 区が賃料の減免など88億円超の支援したこと照らせば権利濫用である これについてまずは利益衡量の観点から見ていきます。 確かに...
契約って何?(16)
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 契約で決めても,守られないことがあるの?(16) 信義則から派生する4つの原則の4つ目は権利失効の原則です。 権利者が信義に反して権利を長い間行使しないでいると、権利の行使が認められない というものです。 これは典型的です。消滅時効です。 以上、4つの原則が信...
契約って何?(15)
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 契約で決めても,守られないことがあるの?(15) 信義則から派生する4つの原則の3つ目、事情変更の原則(法則) について説明します。 契約時の社会的事情や基礎のなった事情に、著しい変化があって、 契約の内容を維持し強制することが不当となった場合、変更が認められるという原則で...
契約って何?(14)
弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。 本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。 契約で決めても,守られないことがあるの?(14) 信義則から派生する4つの原則の2つ目、クリーンハンズの原則について説明します。 法に違反した者は、法の救済を受けることができない。 例としては民法708条、不法原因給付というのが挙げられます。 &...